9月3日(水)~9月14日(日)上映スケジュール

  国宝 9:30~12:30

 ただひたすら 共に夢を追いかけた―》

 李相日監督が「悪人」「怒り」に続いて吉田修一の小説を映画化。任侠の家に生まれながら、歌舞伎役者として芸の道に人生を捧げた男の激動の人生を描いた人間ドラマ。

 任侠の一門に生まれた喜久雄は15歳の時に抗争で父を亡くし、天涯孤独となってしまう。喜久雄の天性の才能を見抜いた上方歌舞伎の名門の当主・花井半二郎は彼を引き取り、喜久雄は思いがけず歌舞伎の世界へ飛び込むことに。喜久雄は半二郎の跡取り息子・俊介と兄弟のように育てられ、親友として、ライバルとして互いに高めあい、芸に青春を捧げていく。そんなある日、事故で入院した半二郎が自身の代役に俊介ではなく喜久雄を指名したことから、2人の運命は大きく揺るがされる。

 主人公・喜久雄を吉沢亮、喜久雄の生涯のライバルとなる俊介を横浜流星、喜久雄を引き取る歌舞伎役者・半二郎を渡辺謙、半二郎の妻・幸子を寺島しのぶ、喜久雄の恋人・春江を高畑充希が演じた。脚本を「サマー・ウォーズ」の奥寺佐渡子、撮影をカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作「アデル、ブルーは熱い色」を手がけたソフィアン・エル・ファニ、美術を「キル・ビル」の種田陽平が担当した。2025年・第78回カンヌ国際映画祭の監督週間部門出品。

(C)吉田修一/朝日新聞出版 (C)2025映画「国宝」製作委員会

新居浜ひかり物語 青いライオン 12:50~14:10

 お母さんライオンみたいに優しくて強い人になるよ》

 印象的な動物画で注目を集める自閉症のアーティスト・石村嘉成さんと家族の絆を描いた作品。厳格な自閉症療育を受けて才能を伸ばした嘉成さんと母の愛を描くドラマパートと、嘉成さんの現在を追うドキュメンタリーパートで構成。

 愛媛県新居浜市に生まれた石村嘉成さんは、2歳の時に自閉症と診断された。息子の将来を案じる母・有希子さんはさまざまな施設を調べては訪れ、やがてある療育者と出会う。その療育方針は「知識ある愛」をもって、子どもを叱るのではなく、譲らない療育を行き届かせるというもの。それは何も特別なことではなく、親として当たり前の教育を丁寧に施すということでもあった。「その方針は信じられる」と考えた有希子さんは意を決し、険しくも愛に満ちた療育の日々をスタートさせるが……。

 ドキュメンタリーパートでは、今は亡き母に導かれるように動物の絵を描き続ける嘉成さんが、キャンバスの中の動物たちに命を吹き込んでいく姿を映しだす。RSK山陽放送でドキュメンタリー番組の取材を通じて嘉成さんと出会った担当ディレクターの三好聡浩と若手ディレクターの平松咲季が監督を務めた。

(C)2024 RSK 山陽放送株式会社

 ドールハウス 14:30~16:20

 だれにもわたさない》

 「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」の矢口史靖監督が長澤まさみを主演に迎え、亡き娘に似た人形に翻弄される家族の恐怖をオリジナル脚本で描いたミステリー映画。

 5歳の娘・芽衣を事故で亡くした鈴木佳恵と看護師の夫・忠彦。悲しみに暮れる日々を過ごしていた佳恵は、骨董市で芽衣に似たかわいらしい人形を見つけて購入し、我が子のように愛情を注ぐことで元気を取り戻していく。しかし佳恵と忠彦の間に新たな娘・真衣が生まれると、2人は人形に見向きもしなくなる。やがて、5歳に成長した真衣が人形と遊びはじめると、一家に奇妙な出来事が次々と起こるように。人形を手放そうとしたものの、捨てても供養に出してもなぜか戻ってきてしまう。佳恵と忠彦は専門家の助けを借りながら、人形に隠された秘密を解き明かしていくが……。

 佳恵とともに人形の謎に迫る夫・忠彦を瀬戸康史、佳恵と忠彦の前に現れる呪禁師・神田を田中哲司、私服警官・山本を安田顕、忠彦の母・敏子を風吹ジュンが演じる。

(C)2025 TOHO CO.,LTD.

 夏の砂の上 16:40~18:25

 乾いた心が、かさなるとき―》

 オダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務め、「美しい夏キリシマ」の脚本などで知られる松田正隆による同名戯曲を映画化。「そばかす」の玉田真也監督がメガホンをとり、愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら小さな希望を見出していく姿を描く。

 雨が降らず、からからに乾いた夏の長崎。幼い息子を亡くした喪失感から妻・恵子と別居している小浦治は、働いていた造船所が潰れても新しい職を探さずふらふらしていた。そんな治のもとに、妹の阿佐子が17歳の娘・優子を連れて訪ねてくる。阿佐子は治に優子を預けて1人で博多の男に会いに行ってしまい、治と優子の突然の同居生活が始まる。高校へ行かずアルバイトを始めた優子は、そこで働く先輩・立山と親しくなる。不器用ながらも懸命に父親代わりを務める治との暮らしになじんできた頃、優子は治と恵子が言い争う現場に遭遇する。

 主人公・治をオダギリジョー、治の姪・優子を髙石あかり、治の妻・恵子を松たか子、優子の母で治の妹・阿佐子を満島ひかり、優子に好意を寄せる立山を高橋文哉、治が働いていた造船所の同僚を森山直太朗と光石研が演じた。

(C)2025映画「夏の砂の上」製作委員会